年あらたまり |
「愛してる」 その一言を言い合うためだけに 口実をさがすひととき 顔を見て話せるからいいのだけど 時々はあなたを待ちきれず 部屋の外に出て冬の星を眺めてみたりする だって顔を合わせた時には 言葉で言わなくても伝える方法がたくさんあるものね 今が至福のとき、とまでは言えないけれど 初詣のお告げのように あなたのお陰で今年も中吉の幸せ あなたにしたことを喜んでもらうとき 私のしたことを怖い顔で叱られるとき 悲しいことをあなたの胸で洗い流したとき 無防備なあなたの寝顔を見るとき 実はお互いにやきもちをやいていたとわかったとき 短い道のりを惜しむように手をつないで歩くとき 行ってらっしゃい、と手を振るとき ささいなようでも たくさんの幸せが 探すごとに私には見つかる 男と女って なんていいものだろう 独りでは叶わない喜び 恋のときめきが 愛に変わって だんだんと情になっていくのかな 時とともに色は落ち着いても それは深みに変わっていって 色あせるということのないように 歩みはゆっくりなようでも 継続することを願っています だから 照れくさくて言えないときもあるんだけど 毎日「愛してる」と言いたいくらいの気持ちは変わらないし ほんとはどこにでもくっついて行きたいくらい いないときには淋しい でもね お前が一緒にいたいっていうんなら 一日じゅうでも一年でも一生でもそばにいてやるよ、という そのお気持ちだけは ほんものと信じて きょうはまだ中吉の幸せを楽しんでいることにします だって…… お仕事に行かないと 食べられなくなっちゃうから無理でしょ? 私を置いて外の世界に働きに行く時のあなたも 何となくカッコよくて好きだから安心して ちゃんと待っていられる程度には大人ですから それでは 今年も二人でがんばろうね ひとりでいても孤独でないことに感謝しつつ 何度もきいた言葉で悪いけれど贈ります 「愛してるよ」 |