新春の詞


旧年中はひとかたならぬお世話様に相成り、

心より厚く御礼申し上げます。

お蔭様でどうにか無事越年させていただきました。

本当にまあ、人間はひとりじゃどうしようもございません。

そんな事をつくづく感じながら

北から南から東へ西へ

世の中じつに千差万別、多種多様な人さまが

おいでになるものだと思いつつ過ごしてまいりました。



去年はちっとも冴えなくて意気消沈されていた方も

いやいや私だけは足取りも軽くうきうきしていたと仰る方も

悔やんだところで、惜しんだところで、

一千九百年代は二度と戻ってはまいりません。

今年のよい事はすべてこれから起こるのでございます。



全部が思い通りにとは運ぶはずもございませんが、

一つでも多く、よい事を拾い集めてまいりましょう。



それでは今年もどうぞ宜しく御願い上げ奉ります。




辰年正月吉日


千太夫


貫の字