あたりまえのこと
 
 
 
あたりまえの事ではあるが、
 
人がたくさん生きている世の中というところは
 
もともと、
 
悲しいことや辛いことや汚いことや間違っていることや
 
醜いことや腹立たしいことや苦しいことや割にあわないことだらけなのだ。
 
そして、本当に自分を守るものは自分だけなのだ。
 
人には、自分の痛みなどは、
 
察することは出来ても、代わることはできないのだ。
 
悲しいと思っているうちは、まだゆとりのある証拠、
 
本当に悲しいときには、悲しみを感じている暇がない。
 
与えられるやさしさや慰めを
 
唇を閉じて飲みこもうとしない者には
 
何の薬にもならずこぼれてゆくだけ。
 
投げかけられた叱責も激励も
 
耳をふさいで聞こうとしないものには
 
意味のない雑音として通りすぎてゆくだけ。
 
本当に愛することの出来ない者が、
 
本当に愛されることなどありはしない。
 
淋しくない人間なんて、
 
この世のどこにもいるはずはない。
 
あたりまえの事をあたりまえに受け止めることから、
 
生きることの何もかもが始まるのだ。
 
 
 
 
 
 




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