薬 効 |
わがままが過ぎれば 可愛げも何もあったものではない 男でも女でも 人の気持ちを考えられない者 わかっていて踏みにじる者は大嫌い 示威も姑息も策謀も 本当の愛の前には 色を失い、空しくひからびるだけ 光にさらされた醜いさまを見てしまうと 胸がやけて吐いてしまいたくなる あなたの声 あなたの表情 あなたのぬくもり 一つ一つが私には千年の妙薬 疲れ果てささくれた心に やさしくしみこませてくれて有難う どうやら私のほうが ずっとわがままの量が多いようだけれど 好きという気持ちに変わりがなければ そこは愛嬌に免じて堪忍して もうこの薬は手放せそうにないから あ、ほら今笑った その笑みこそが秘薬中の秘薬 おかげで随分楽になりました 例の発作が出た時は またよろしく頼みます |