Cologne
 
 
私は自分のための香水を買わない
なぜなら
あなたの移り香が好きだから
 
あなたと隙間なく抱き合い
同じ匂いの中に包まれることができるから
 
今日は互いに違う場所で
違うことをしていても
愛の記憶は
再び寄り添う香りの中で
鮮やかによみがえる
 
あなたと離れて街を歩く時
私はひとり
その記憶をたどってみる
 
肌の内にしみこんだように
強い香りは消えそうになく
 
時々は息が詰まり
胸が苦しくなるほどに
あなたのぬくもりが恋しくなるのだ
 
 




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