生きる
  
何年か前まで
確かに
生きててよかったと思うときがあり
さきのことを考えたら
やけになっちゃいかんと言い聞かせて
普通ならとっても我慢できないようなことでも
なんとか我慢してきたような気がする
 
 
しかしもう最近は
死ぬことすら何かとめんどくさいので
とりあえず生きてるって感じだ
 
 
あなたの虚偽を感じていながら
もう真実を追究する気にもならない
 
 
ただ生きるってことが素晴らしいんです
と、テレビでは熱血教師の台詞が語られる
その言葉に素直にうなずく自分もいるのだけれども
ただきょうも生きてるってことは
ただの偶然に過ぎないですよってことも
言いたい自分もいる
 
 
それでもたぶん、
明日も生きるために働いてたりするんだろう
手にとった本を読んでみたりするんだろう
腹が減ったら何か食うだろう
眠くなったら寝るだろう
 
 
人生の九割九分までは無駄のくりかえし
あなたと見た甘く強く光る夢さえも
おおかた無駄だったと思いはじめている
 
 
それでもいいよ
何の夢もみなかったより
夢みて生きる日があったことは
幸せだ 
 
 
 




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